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東京23区くじ引きツアー【4】

今回の一句
 引くなよと 言ったそばから 『江戸川区』


突き抜けるように晴れた空の下、荒川の河川敷で食べるうなぎ弁当とビールはこれまた格別の味であった。できれば、しばらくボーッと風に吹かれ、芝生の上でゴロゴロして昼寝なんかしちゃったりなんかしちゃったりしたかったものである。

が。
そのままのんびりしていればいいものを、我々は、何かに急き立てられるかのようについついくじを引いてしまったのだ。

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引いてしまった以上、その地に移動しなければいけないというのがこの企画のルールである。
くじ様は、非情にも「今から江戸川区に行け」と仰る。
食後の運動にしては、いくらなんでもあんまりな距離である。


ここで、東京以外にお住まいの読者の方、また東京に住んでいるけれど23区の位置関係がよくわからないという人のために、我々一行がどのように移動したのかをおさらいしてみることにしよう。
黄色で塗りつぶしたのがくじを引いた区、ピンク色の矢印がアバウトな移動経路である。

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『①千代田区』 → 『②荒川区』 → 『③北区』 ときて、次が『④江戸川区』だ。
しかも、現在地の『岩渕水門』は北区の最北端、急遽目的地となってしまった『葛西臨海公園』は江戸川区の最南端である。

結局、『赤羽岩渕』駅から営団地下鉄南北線の『飯田橋』駅へ行き、そこで有楽町線に乗り換え『新木場』駅へ。そこからJR京葉線で1駅の『葛西臨海公園』駅へ、というルートを辿ることになった。
よくよく考えたら、このルートは、移動の殆どが地下鉄である。

それにしても、移動に地下鉄を使うときほど退屈なものはない。
当たり前といえば当たり前だが、地下鉄という乗り物は、ただ真っ暗な中をゴーゴーと耳をつんざくような音をさせながらひた走るだけである。当然、外の景色なんざ見えやしない。そんな一本調子のまま、南北線の『東大前』『後楽園』と通り過ぎていく。

長男「『後楽園』って、東京ドームとかが近くにある、あの『後楽園』ですか?」
たい「そうだよ、『東大前』は赤門があるしねぇ」
高倉「言うても、実際に地上で見たかったら『文京区』のくじ引かないと見られないけどねぇ」
長男「見れなきゃ意味ないですやん!!」
高倉「キミ達はそんなに東京ドームが見たいのかい?」
次男「いや、別に?(即答)」

今度は、乗り換えた有楽町線で『永田町』を通過する。ここでも、「この辺りが日本の中枢だねぇ」などと、あくまでも"地下から"観光案内を続ける東京組であった。


わかってはいるものの、やっぱり移動距離は長い。

高倉「荒川の向こうは埼玉、葛西臨海公園からはディズニーランド(千葉)が見える。このように、この企画はグロ───バルな視点でやってるわけですよ」
次男「…めちゃくちゃドメスティックやないですかー!!」

ドメスティックな割に、東京の北端の方から東南端への移動というのはいささか極端ではないだろうか。さっきまで荒川の上流にいたというのに、1時間ちょっと後にはもう河口付近にいるわけである。
移動中の地下鉄の中でこんな話をしていると、ふと思い出したように、吉田ナゴヤ氏がこう言う。

吉田「しまった、笹舟流してくるの忘れた!」

上流で自分が流した笹舟をその1時間後に下流で目撃するというのを想像するだけで爆笑に値するが、それがあながちあり得ない話でもないところがまた恐ろしくもある。
やっとの思いで乗り換え地点の『新木場』駅に着いたときには、移動中ずっと座っていたにも関わらず、みんなの顔に疲れの色が徐々に浮かび始めていた。


その『新木場』駅での電車待ちの時間。
あまりにも喉が渇いたため、吉田ナゴヤ氏、長男くんと僕の3人は、駅内のコンビニに飲み物を買いに走った。
すると、このツアーの"歩くルールブック"こと高倉仮面氏が、吠えた。

高倉「なんで江戸川区に着かないうちから飲み物飲んでるんだキミたちは! 軟弱だよ! ここを何区だと思ってるんだ!」
たい「(地図を確認して) …うわ、この駅『江東区』かよ!」
高倉「ここで買ったものは他の区に持ち出し禁止だからね! ちゃんと飲み干すように!」

びっくりした。
まさか、北区の『まるます屋』前で話が出た、

 ・買った食べ物、飲み物はその区の中で食べきる

というルールが生きているとは思わなかった。
仕方なくペットボトル500mlのお茶を飲み干して水腹になったところで、「そのルールも他の区に持ち出し禁止じゃないのか!?」と思ったが、既に後の祭りであった。


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さて、『岩渕水門』から約70分かけて、やっとこさ『葛西臨海公園』に到着である。
連休のど真ん中、しかもものすごく天気がいいとあって、公園は入口から家族連れやカップルなどが芋を洗うかの如くごった返していた。
公園の入口には噴水があり、子供達が噴水の間近で戯れている。

ふと横を見ると、大人も約2名、噴水の間近で戯れているではないか。


…次男くんと、吉田氏である。


なんと、少し水が噴き出す勢いが弱くなったタイミングで、どれだけ奥まで行けるかという『噴水チキンレース』を繰り広げているではないか。

次男「オレここまで行けたもんねー」
吉田「なにっ! オレはもっと先まで行ってやる!」

このヒトたち、どうやら完全に子供に還っているらしかった。

次は吉田氏の番らしい。
そのうち水の勢い強くなるからそのへんにしといた方が…と思っていたそばから、突然ぶわーっと大人の身長ぐらいの高さまで水が噴き上がり始めた。

吉田「うわっ!」

危ないと思ってこちらに向かって逃げようと体を翻した瞬間。
吉田氏のポケットから、何かがポロッとこぼれ落ちた。

長男「あっ! なんか落とした!」
次男「携帯だ!」

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吉田氏、大あわてで落とした携帯を取りに行く。
しかし、もうそこは土砂降りの雨以上に水の世界であった。

頭からずぶ濡れになり、がっくり肩を落とし、うなだれる吉田氏。
滴る雫が、ちょっぴり哀愁を誘う。

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近くで一部始終を見ていたカップルは、笑いを堪えるのに必死だったようだ。
当然我々4人も、その目の前で起こった通常ではあり得ない出来事に、腹筋がよじれすぎて壊れるかと思うぐらいに笑った。

高倉「…アンタ、自分のブログで書いてる自分自身のキャラクター以上に『マヌケ』だよ」

でも、吉田氏も携帯もあれほど水をかぶったはずなのに、幸い携帯は壊れずに済んだようである。
すんでのところで運は残っていたようだ。いやぁ、めでたいめでたい。


午後の日差しが照りつける公園内を、吉田氏の服がある程度乾くぐらいまで散歩しながら練り歩く一行。
道の途中で『水上バス乗り場』へ行く看板を見つけたので、見に行ってみることにした。
その水上バスは、『葛西臨海公園』と『お台場海浜公園』との間を行き来しているようだった。
乗り場の近くからは、肉眼でもくっきり東京ディズニーランドの『シンデレラ城』と『スペースマウンテン』が見える。

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間近に見える有名処の観光地。長男くん、思わず誘惑に負けそうになる。

長男「もうええですやん、せっかくここまで来たんだし、今からディズニーランド行きましょうよ!」
高倉「ダーメ!! ディズニーランドは、千葉っ!! さっきも言ったけど、ボクは『東京23区、余すところなく観せよう』と言ってるわけですよ!」
長男「え、えぇぇぇぇー!!!」

そう、残念ながら、準備している封筒の中には『千葉県』のくじは入っていないのである。ここはおとなしく涙を飲んでもらうこととしよう。
かといって、男5人で公園内にある水族館に行くわけでもなく、ましてや観覧車に乗るわけでもない。もう大して公園内で見るものもなくなってしまった。

とすると、することはひとつ。
集合写真をパチリとやるしかなかった。
そして、例の『儀式』。


全員「これでー、江戸川区はー、制ー覇ー!!


さぁ、やるべきことはやった。
あとはくじを引いて次の区に移動するのみである。

が、しかし。
この公園からの帰りは、JR京葉線にだけは乗りたくないという思いがあった。
東京近郊に住んでいる方はご存じかと思うが、京葉線で東京駅に戻ったとすると、そこから他の在来線に乗り換える場合は、同じ東京駅構内なのに約1kmも歩かされるのである。できれば、そんなしんどいことはしたくないというのが普通だろう。

そんなわけで、江戸川区に隣接する区(葛飾区、墨田区、江東区)を引かない限りは、雰囲気もよさそうだし水上バスに乗っちゃえ!ということになった。まぁ、よっぽど交通の便が悪いところじゃなければ合格、といったところだったろうか。

次男くんが茶封筒に手を突っ込み、そっとくじを引く。




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「『大田区』か… よし、じゃあ水上バス乗ろう!」

先ほどの長い地下鉄による移動が"効いていた"のか、はたまた海辺の"リゾート効果"か。
値段は1,000円とちょっと高めであるが、迷わず水上バスの切符を買った。


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我々が乗船して間もなく、水上バスはお台場海浜公園に向けて出発した。
あっという間にディズニーランドが、そしてさっきまで自分たちがいた船着き場がだんだんと小さくなる。
水上バスがスピードを上げるたび、全身に受ける風がより心地よいものとなっていく。

長男「いや~、いい観光ですよ、コレッ! 最高ですよっ!」

すれ違う水上バスに乗っている人が手を振ると、必ず振り返す長男くん。
「振り返してくれるのがうれしいんですよ!」と話す顔は、本当にものすごくうれしそうである。
それにつられ、通り過ぎる橋の上にいる人々に一斉に手を振る我々5人。
北区の『河川敷でうなぎ弁当とビール』に引き続き、「こりゃ江戸川区も当たりか??」というムードすら漂っていた。

水上バスは、ゆっくり、お台場へと向かっていく。


つづく。

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Comments

1週間ぶりくらいに来てみたらびっくりだわよ~☆
これはもう本になるね!
なんか自分も「疲れずに」観光している気分になれてとても楽しいです(笑)

次回も楽しみにしております♪

Posted by: tomo | May 12, 2005 at 08:24 PM

>tomoちゃん
物書きさんがいかに大変かよくわかったよ(笑)
本にできるようにするには、もっとうまいこと書かないとねぇ。

んで、今日はaikoのライブで2時間半ぐらい飛び跳ねてはしゃぎまくってたので、『次回』は勘弁してください(苦笑)
おとなしく眠らせていただきます…

Posted by: たい | May 13, 2005 at 12:22 AM

aikoのライブ行ってきたんだ~!
昨日TVでaikoのライブDVDのCMが流れてて超楽しそうだった!!
しかしパワフル(?)な生活だねぇ(笑)
体壊さないようにがんばってね~☆

Posted by: tomo | May 13, 2005 at 02:12 PM

いやぁ、ライブ行くと日頃のヤなこととか全部吹っ飛びますな。
ヘッドバンキングしすぎて首が痛いよ(笑)

もうちょっと、おとなしく家でテレビ見たりとか
のんびりしたりとかいう生活にもときどき憧れます('-';)

Posted by: たい | May 15, 2005 at 02:00 AM

企画者から見た『東京23区くじ引きツアー』【4. 江戸川区】

北区観光を「吉田氏のファインプレーが炸裂!」とするなら、江戸川区観光は「吉田氏の独り相撲が炸裂!」という感じだ。たい氏の文中には記されていなかったが、そもそも「噴水チキンレース」を提案したのは吉田氏自身であり、それに次男氏が付き合う形になっていたのだ。つまり彼は、やらなくていいようなこのチキンレースを「勝手に企画」し、「勝手に実行」し、そして「勝手に『水爆』」したのだ。これをマヌケといわずして何というのか…。しかし、転んでもタダでは起きないのが吉田氏で、我々は「ボカァねぇ、何もない『葛西臨海公園』では、体を張ってまで話題を提供したんだよっ!」という負け惜しみをしばらくの間、何度も聞かされる事になる。

「嬉しい事があれば大喜び、悲しい事があれば泣き言を叫ぶ」、非常に単純な思考回路の、イヤ純粋な心の持ち主である長男氏ではあるが、いくらなんでも「ディズニーランドに行きましょう」はないだろう。あそこは千葉だし、第一、野郎五人でディズニーに行って何をするつもりだったのだろうか?まあ、何をするつもりでもイヤな訳だが。まあそんな長男氏も船に乗れば「最高ですっ!」を連発。本当に単純な思考回路、イヤ純粋な心の持ち主だ。

さて江戸川区についてだが、名所についてロクに下調べしなかった結果、観光場所は最初から「葛西臨海公園」と決まっていた。だが、今こうしてgoogle等で検索してみると、意外な程に史跡や名所は多いようだ。北原白秋に縁のある八幡神社、東京都指定文化財である一之江名主屋敷…といったものが点在しているらしい。オルゴール館のようなメルヘンな場所も存在するらしく、これはどうして観光地としてあなどれない。ま、結果的にはフェリーでいい思いをしたので、「葛西臨海公園」にしておいたのは正解だったのだが。

Posted by: 高倉仮面 | May 17, 2005 at 01:58 AM

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