« Black or White? | Main | 突発性カタカナ »

その気にさせないで

春。
出会いや別れの季節であり、
花粉がわさわさ飛びまくる季節でもある。

そんな時期に必ずやってくるイベントというのが、会社の定期健康診断というヤツだ。
決してものすごく体調が悪いわけではないんだが、受けるたびに「あんたもっと健康な生活過ごしなさいよ」と暗黙のうちに言われるような気がしてしまう、とてもあんにゅいなイベントである。

ものすごく晴れていたために猛烈に飛散する花粉に鼻をぐずぐずいわせながら、尿検査に始まり、体重測定、視力測定、血圧測定、内科検診の順番に回る。受けている人も、待っている人も、診ている人ですらけだるそうである。
内科検診では、医者に「自覚症状はありますか~」と訊かれたので「肩凝りですかねぇ?」と答えると、ぞんざいな声で
「揉んであげて下さいね~」
ときた。
なんだか無性にやりきれない気分だ。

そんな調子で、だらだらと大トリの胸部X線撮影のところまでやってきた。
胸部X線撮影、いわゆるレントゲン撮影は、それ専用のライトバンの中に場所を移して行われる。
毎年特に何の疑問も持たずにレントゲン撮影を行ってきたが、よくよく車内を見渡すと、実はけっこう年季の入ったものだということが判明した。きっと、そこでの滞在時間があまりにも短いので、意識しなかったんだろう。

いざ自分の番になり、Tシャツ1枚になって撮影室の中へ。
少し膝を曲げ、指示通りにレントゲン撮影用のカメラのような箱のような物体を抱え込む、ちょっと間抜けなポーズになった。ガラス板で胸がひんやりと冷たい。

ふと目の前を見上げると、こんな表示がある。

けっこう古くさい

つかの間の時間だったが、
そういえば、この手順通りにやってたなぁ、というのをうすぼんやりと思い出していた。

とそこで間髪入れず、レントゲン技師からスタートの合図が入った。
キュコッという音とともにドアが自動的に閉まる。
微妙に緊張する瞬間だ。ほんの少しだけ、身構える。

『オオキクイキヲスッテ トメテクダサイ』

古くさい自動音声が鳴り響き、いちばん上のランプが点灯する。

位置について よーい


ギュゥイーン


どん

『オワリマシタ』


…あれ?? 『らくにし』なくて、いいんすか…?

えぇ──────っ!??!?


『らくにしてください』というランプが点いたのは、ほんの一瞬、約0.1秒ぐらいだっただろうか。
始める前は、『らくに』するステップが当然あるんだろうと思い込んでいた僕は、少々肩すかしを喰らった感じで、ほんの少しだけ前出の"間抜けなポーズ"のまんま硬直してしまった。

意味ないって、アレ。
…全然、意味ないって。ホント。
ちょっとぐらい楽にする時間あってもいいやん。

頭の中で何度もそう繰り返しながら、どこか釈然としないまま、ライトバンを後にした。

外は、まだほんの少しだけ冷たい風が吹いていた。

|

« Black or White? | Main | 突発性カタカナ »

Comments

ザオリク!復活の呪文(関係ない爆)

4年前に突然花粉症発症しました。
昨日今日の花粉はしどいです。(;_;)

毎日マスクしてメガネ掛けて外に出て
おります。>怪しいけど・・・・

外気は汚染されている(^^;)

Posted by: 元沖縄通☆ | March 10, 2005 at 12:32 AM

毒素が蔓延してますねぇー。
まるでマスクしながら腐海に入っていくナウシカのよう。

花粉と微熱のダブルパンチで苦しいです。

Posted by: たい | March 11, 2005 at 01:27 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54071/3228010

Listed below are links to weblogs that reference その気にさせないで:

« Black or White? | Main | 突発性カタカナ »