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無くて七癖

ここ最近、『口癖』についての書き込みを相次いで目にする機会があった(※)ので、自分にも思い当たるフシがあり、ちょっと考えたりしてみた。

 (※)参考
 ・fanshenさん『胡散臭いかほり
 ・Jeepwayさん『なんかさぁ・・・
 ・てい氏『イヤな口癖

そもそも、人間そんな器用にはできていなくて、思ったことをダイレクトに、そしてかつきれいな日本語として一発で口にするのはなかなか難しい。だが、相手には正しく意味を伝える必要がある。ということは、しゃべりながらも頭の中は実はフル回転し、必死に言葉と言葉のツナガリを探しているんじゃないかと思う。そんなとき、「とりあえずいつものアレをしゃべっておけば、一瞬だが間が稼げる!その間に正しいツナガリを考えるんだ!」という指令が脳から下され、発される言葉がきっと『口癖』なんであろう。口癖を発することによって稼げる時間はほんの0コンマ数秒から1秒程度(軽く口に出してアバウトに実測)なのだが、それは実は脳にとってはすごく大きい時間であり、そのおかげでふつうに会話が成立する程度の言葉をしゃべることができるんじゃないかという気がする。

ざっと思い浮かべるだけでも、口癖は ①語尾系 ②あいづち系 ③副詞・接頭辞系 の3つぐらいに分類できそうだ。

①語尾系

語尾を必要以上に伸ばすケース。
女子高生の「えっとぉ~~~」「だからぁ~~~」「それでぇ~~~」とかもそれに入るのかというと微妙だが、アレも一種の『癖』だろう。

このケースで特に思い出すのが、『ね』というヤツだ。
高校時代、国語の教師で仲田先生(仮名)という人がいた。
この先生、丁寧で優しそうなおじさんなのだが、どうもやたらと語尾に「○○で」「○○なんです」とつけるのだ。

あるとき、国語の授業で、誰かが『ね』の数のカウントを始めたようだった。
「今日は、○○をやります
「この場合は、こうなるんです
どんどん増えていくらしい。軽く100を超えていく。
さらに運が悪いことに、その日は『ナ行下一段活用』を教わる日だった。

よ です

そこで笑いが止まらなくなり、そいつは数えるのをそこでストップしてしまったようだ。そりゃ笑うわ。
あとから聞いたら、このときの『ね』カウンターは、すでに600を超えていたそうだ。

余談だが、その先生は、『仲田ね先生』と呼ばれるようになった。

②あいづち系

早い話が『うん』とか『はい』とか『えぇ』というヤツだ。
たぶん、デパートの貴金属売り場にいるおねえさんあたりがやたらと多用しがちなんじゃないかと思う。なんとなく、こんな光景が目に浮かぶ。

男「えーと、彼女が誕生日なんで、アクセサリー買ってあげたいんですけど…」
店員「どういったものをお探しですか?」
男「彼女、シルバー系が似合うんで、」
店員「うんうん
男「このへんの指輪かなんかを…」
店員「はいはいはい、最近はこういうの買われるお客様多いですよぉ~」

丁寧で笑顔で接客してくれるのは、すごくうれしいし、和む。でも、そんなにうんうんはいはい言わなくてもいいんじゃないかなぁ、と、そういう売り場の横を通り抜けるときは、思ってしまう。

③副詞・接頭辞系

実は、これがいちばん直しにくく、もっともやっかいな口癖なんじゃないかという気がしている。
『なんか』とか『ちょー』とかはこの部類に入るだろう。

個人的には、『ちょー』はすごく苦手だったりする。
もともとは漢字の『超』で、「ある限度を過ぎる」とか「他とかけ離れてすぐれる」という意味を持った接頭辞なわけで、「超自然的」とかそういう使い方はOKなんだが、「ちょーいい」「ちょーすごい」っていうのはどうなのかなぁ、と思う。「超いい」とか「超すごい」とか、漢字に直すと違和感バリバリだ。特に、「もー、ちょー最高!」とかは、『最高』を『超え』ちゃうわけだ。冷静に考えると実は変な組み合わせ。

こんな自分にも口癖があるようだ。
何をするにも、『とりあえず』と言ってしまうことが多い。
以前、大学時代の教授が機嫌が悪かったときにそれを指摘され、「君はなんでも『とりあえず』『とりあえず』って言うけど、適当にしかやらないのか!」と怒られてしまった。それ以来、言ってしまうたびに気を付けるようにはしているが、なかなか直らないものである。
日々、修行は続く。

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Comments

 (病院の)受付の電話番は、焦っている人からの電話が多いからなのか、「ちゃんと聞いてますよ」というサインを出す意味としても、いちいち「はい」「ええ」と答え、相手が言った事を簡略化して復唱します。
 この間、またしても「へえ」と言ってしまい、以後の内容がアタマに入らないというポカをしました。
 ・・・それにしても口癖って移るんだよね。日常でも「頷き過多」にならないように。と、思いました。

Posted by: はや | October 31, 2004 at 02:52 PM

TBありがとうございます。
たいさんのブログ、毎回楽しみに読んでいます。

私達って自分の口癖には鈍感なくせに他人のそれには敏感なんですよね。
だからこそ、突っ込める面白さもあるのですが・・・。
私も気になる口癖を察知したら、必ずカウントする癖をつけています。

どこかで聞いた事があります。
「逆に」とすぐ使う人は、自分の意見を絶対に押し通す負けず嫌いな人間らしいです。

「とりあえず」カウンター600を上回る、こってりした口癖を発見したら、またご報告しますね!

Posted by: fanshen | October 31, 2004 at 05:38 PM

>はやちゃん
「へえ」って…(笑)
小学校時代に塾に通っていたとき、出席確認で名前を呼ばれて、ぼーっとしていた僕はあわてて我に返り「へい!」と返事したことがあります。
…クラス全員に爆笑されました。

「頷き過多」、やりがちかもしれんですわ。気を付けよう。

>fanshenさん
他人の口癖を何回も聞いていると、
気がついたらものまねできそうな自分がいたりしますよね。
んで、そうやってるうちに、自分にうつっているという…
そんな口癖、数知れず。

あぁ、そっか、口癖の集大成みたいな人が、長嶋茂雄さんなんだ。

Posted by: たい | October 31, 2004 at 10:23 PM

初めまして。
TBありがとうございます。
口癖については、心を許せる類と、そうでない、気に障って仕方がないものとにも分かれると思います。
今まで、数えてみたことはなかったのですが、どんなに心が許せようとも、数えたカウンターが100を越えた時点で、どんな人にも突っ込もう、と心に決めました。
600まで数える忍耐力は、私にはないと思われます…

Posted by: jeepway | October 31, 2004 at 10:23 PM

>jeepwayさん
「人のふり見て我がふり直せ」とはよく言ったもんですよね。人の癖を数えるのは、かなり忍耐が必要です。
特に、気に障って仕方がない方。

口癖ではないんですが、
予備校時代、黒板に何か書いてはニワトリのように「くるっ!」
とすごい勢いで振り向く先生がおりました。
正の字を書いて回数を数えていたんですが、
60を過ぎたあたりから正の字がぷるぷる震えだし、
100を過ぎたあたりで笑いすぎて断念しました。
今度、何か見つけたら、カウントにチャレンジしてみて下さい(笑)

Posted by: たい | October 31, 2004 at 10:35 PM

口癖といいますか、「ありえない」を幅広く使います。びっくりすれば、「ありえない」みたいな。
すげーアルコール度数高いのに飲みやすい酒で、
「これ、ありえねー」もあります。
マジでありえない時も「ありえない」使います。
東海地方の影響を受けて「ありえん」と言うこともよくあります。

Posted by: くぼっち | November 02, 2004 at 01:29 AM

>くぼっち
なんか、流行ってるよねぇ。<「ありえない」
ときどき「ありえへん」とか言ってしまいます。
関西人でもないのにねぇ。ありえない。

Posted by: たい | November 02, 2004 at 02:16 AM

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