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此処から少しの『非日常』

仕事が忙しい分、休みの日を首を長くして待っている社会人の方はけっこう多いだろう。ご多分に漏れず、自分もその1人だ。そこそこ自由に有給休暇が取れるとはいえ、当たり前の様にやってくる土曜日と日曜日の貴重さは、学生の頃からは比べものにならないほど大きい。

そんな土日の過ごし方は、そのときどきによっていろいろある。買い物したり、友達と飲んだり、習い事にいそしんだり。ただ疲れを取るためだけに、ひたすら寝ていることだってある。日常生活からあまり離れたところには行かないのが通常だ。

ただ、年に数回、『非日常の世界』へ、ぽーんと飛び込むことがある。

 「ここにいていいのかな?」
 「仕事してる自分ってどんなだっけ?」
 「この時間はいつまで続くんだろう?」

いろんなことを考える。
普段の生活とのあまりの違いに、ときどきほんの少しの不安を感じながらも、刹那の『週末』という名の非日常の世界を、ゆらゆら漂ったり、ジェットコースターのようにごうごうと駆け抜けていくのが好きだ。
そういう時間を過ごすからこそ、日常の世界に戻ったとき、ちょっと眉をひそめるようなことがあってもがんばれるんだ。そう思う。


で、何が言いたいかというと、週末を利用して箱根に行ってきたんである。
目的は、もう言わなくてもおわかりだろう。温泉だ。


タライじゃないよ。檜風呂。

新宿からロマンスカーに揺られること90分。東京近郊に住んでいる人にとっては、いちばんなじみ深い温泉地だろう。
自分も、もう過去に数回行っている。ディズニーランドには行かなくなったが、箱根には何回も行ってしまうのだ。歳を取ったせいかというと、そういうわけでもなさそうだ。

ここ数年、必ずと言っていいほど一緒に箱根へ行くメンツがいる。
住んでいるところも仕事もバラバラなのに、年に一度「温泉!」という合言葉で集まってしまう。不思議なもんだ。
温泉というと、高級旅館と贅沢な料理というのが定番だが、このメンツの場合はそうではない。全員が1部屋に集合して、ひたすらしゃべってひたすら飲むのが何よりの目的なのだ。そのおかげで、宿は素泊まり、食事は持ち込みという、我々の『箱根スタイル』。いささか学生っぽいが、みんなたまにははしゃぎたいんだもの、ご容赦願いたい。

出発前。デパ地下でたんまり宴会用の食材を買い込んでおいてもらった新宿集合組と待ち合わせ。
ビールと崎陽軒のシウマイを頼むのはもちろん忘れない。なぜなら、箱根へ向けてロマンスカーが動き出した瞬間から、そこがいきなり宴会場になるからだ。ビールとシウマイは、そのマストアイテムなのだ。他のお客さん、騒がしくてゴメンナサイと思いつつ、目一杯くだらない話を楽しんでいると、すぐ目的地に着いてしまう。
箱根湯本の改札で待ち合わせたメンツを拾い、宿で直接で待ち合わせたメンツとも連絡をつける。その後ちょっとだけ宴会の準備をしたら、早速温泉だ。

温泉は、いい。
とにもかくにも、理屈抜きでいい。
ちょっと温めのお湯にゆっくり肩まで浸かって目を閉じていると、体がお湯に軽く浮かんで揺られるのと同時に、自分の中に溜まっている疲れの固まりもゆっくりと揺られ、徐々に溶けて消えていく感じがする。そして、すべてがどうでもよくなる瞬間が連続でやってくるのだ。
上がった後のほどよい脱力感も、またいい。
温泉では、ひとつため息をつくと、ひとつ幸せになれるという逆転現象がしばしば起こっているのではないだろうか、なんて考えてみたりする。

みんな揃ったところで、待ちに待った乾杯。この一杯が、また、たまらなくいい。
そして、それをきっかけに、短いようで長い、長いようで短い宴に突入していく。
料理はもちろん、近況報告から他愛のない話までも含めて、あらゆるものをつまみに酒が進む。
ちなみに、去年は6時間食べ続け飲み続けで、朝起きたらあまりの自室の酒臭さに思わずくらくら。参加したほぼ全員がグロッキーで、翌日の観光を取りやめて、昼を待たずして東京に帰ってしまったのだった。楽しかったせいでそうなったのだが、さすがにアホすぎた。
その経験を踏まえてなのか、今年はみんな控えめだった気がした。当たり前か。

正直、この時間が温泉旅行のいちばんの楽しみなのだ。この集まりがあるなら、温泉が水道水に入浴剤入れたものだって構わないと思ってしまうほどに。そういう場にいられることは、きっとものすごく幸せなことなんだろう。
楽しい宴の夜は終わってしまうが、本当に終わってしまうのではなく、きっと次回の夜につながっている気がする。
今年、惜しくも来られなかったメンツは、来年一緒にその「続き」から始めたいと、切に願う。

翌朝、チェックアウト前に、もう一度温泉に入る。
朝の露天風呂は人がおらず、事実上の貸し切り状態。これも、幸せ。


欲を言えば、晴れてたら、きっともっと最高だった。


翌日の観光を含め、終わってみれば夢うつつ。まさに『非日常の世界』であった。

次は、どんな『世界』へ行こうかなぁ。
なーんて、ときどき思い出したようにわくわくしながら、またいつもの日常を過ごす。
とりあえず、次の土曜までは、がんばろう。

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Comments

 お疲れサマでした。昨年に続いてご一緒できて楽しかったです。
 っていうか、写真、送ってよ。読んでて私も自分なりのレポが早く書きたくなったじょ。
 この場所、知っちゃったから、度々来るよ。よろしくね。

Posted by: はや | October 26, 2004 at 10:18 AM

毎年お誘い頂きながら行けなくてゴメンナサイ。
結局行けたのは初回だけだなあ。
熱海の貸しペンションもなかなか良かったよ。
みんなで秘宝館に行ったら楽しそう。

Posted by: ひぐらし | October 26, 2004 at 11:49 AM

いいなぁ、箱根。。。(って自分も十分満喫したじゃないか!)
遊覧船乗ったの、とっても久々。新鮮な感激があったよ。
次行くときはもうちょっと着ていくぞ(笑)。
写真、楽しみだぞよ~。よろしくです。

Posted by: たた | October 26, 2004 at 12:25 PM

キミは明け方、呼吸(寝息)が不安定になるぞ。
呼吸器系には注意するだあよ。
~開けっ放しの窓際に寝ていた同室の男より~

Posted by: てい | October 26, 2004 at 09:30 PM

すんげぇ眠いです。温泉疲れを引きずっているようです。

>はやちゃん
自分なりに解釈したらこんなんなりました。
レポート、楽しみにしてるよー。

>ひぐらしちゃん
秘宝館大好きそうなメンツばっかりなので、
なんとなく想像がついちゃいます。
熱海のペンションは紹介してもらう方向で。

>たたさん
おいらはいろいろと観光地の中に「現実」を見た気がしました。
それはまた別途書こうかなぁと思っちょります。

>てい兄貴
えぇー、ひょっとして睡眠時無呼吸症候群なのかな。。
ちょっとコワイですね。自分じゃわかんねぇのがいやだなぁ。

Posted by: たい | October 27, 2004 at 01:53 AM

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 ここ数年,恒例になりつつ「年に1度温泉で飲みまくる会」に行った。場所は箱根。箱 [Read More]

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